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城は、その立地によって区分されます。
主に、「平城」「平山城」「山城」と、それに「水城(海城)」加えて4つに分けられます。
城の立地についても、様々な戦略を持ったうえで考え抜かれています。
自然の地形を利用することによって防衛の役割を果たしたり、わかりやすい場所に築城して権力をアピールしたりと、城によって性格は様々です。
というわけで、今まで漠然と見ていた城を、より楽しんで見てもらうための基礎知識を簡単に紹介したいと思います。
今回は、城が築かれた周辺の地形や立地という観点から、城の分類を解説していきたいと思います。
(この記事で紹介する内容は超初歩的なものになりますので、本物の城マニアの方々からすれば物足りない内容かと思います。ご了承ください。)
平城
平城(ひらじろ)とは、平らな土地に築かれた城です。
堀や石垣を巡らせた、多くの方が想像するような城がこれかと思います。
現代でも市街地の中心部にあるような城跡はこの平城(もしくは平山城)になります。
松本城・広島城・二条城が、日本三大平城と言われています。
(名古屋城や岡山城などと入れ替えて日本三大平城とすることもあるので、諸説あります。)
平城が築かれるようになったのは、主に戦乱が落ち着いた江戸時代以降になってからとされています。
戦のための城というより、政治・経済の拠点として、あるいは権力の象徴としての城という意味合いが強いです。
平山城
平山城(ひらやまじろ)とは、平地の中にある小高い山などを丸々利用して造られた城です。
主に、山頂に天守、山腹に櫓や郭、そして麓に堀を設置したようなものが基本的な形になります。
平城と比較して、天守のある位置が高くなっていることが大きな違いです。
姫路城・松山城・津山城が、日本三大平山城とされています。
この平山城も平城と同じように、主に戦国時代末期から江戸時代にかけて築かれました。
平城よりも城を大きく見せることができるため、権威の象徴として最適でした。
ちなみに、平城と平山城には実は明確な区別はなく、例えば江戸城や大坂城などは資料によって平城か平山城か分かれます。
山城
山城(やまじろ)とは、山の上に築かれた城です。
山の斜面を利用して土を固めたり、空堀などを作ったりして築かれています。
日本には城跡が小さいものまで含めると数万あるとされていますが、そのうちの大部分がこの山城になります。
備中松山城・岩村城・高取城が、日本三大山城とされています。
このような山城は、古代(飛鳥時代など)から江戸時代初期にかけて造られました。
平城や平山城などと違い、山城は戦のための城といった性格が強いです。
水城(海城)
水城(みずじろ)とは、平城や平山城のうち、海や湖などに面して立地している城のことを言います。
このうち海沿いにあるものを、海城(うみじろ)と呼びます。
海や湖などを堀に見立て、その水を内陸側の堀まで引き込んでいます。
上記3種類の城と大きく異なるのが、「舟入」という船着き場を設置していることです。
このように水辺を、防御と水運のために利用している城になります。
今治城・高松城・中津城が、日本三大水城とされています。
ちなみに、この水城という区分は、あくまでサブカテゴリーのようなものになります。
なので、平城の水城、などのような区分の仕方になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
普段何気なく見ている城も、このように立地に着目してみるとそれぞれに個性があります。
それがわかっていただけたら幸いです。
「設備編」についても記事を書いていますので、そちらもお読みください。
次の「城の基礎知識シリーズ」は「歴史編」を予定しています。
今回の記事の内容に密接に関わってきますので、合わせてお読みください。
城に少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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