上海一人旅、今回は5日目です。
この日は少しだけ上海を離れて、蘇州を日帰りで散策してきました。
東洋のベネチアとも称される、水路沿いの景観が見事な街です。
それではご覧ください。
蘇州へ向かう
本日は上海駅からスタートです。
こちらは主に在来線が発着する古くからのターミナルです。
上海駅からはこちらの客車列車に乗って蘇州に向かいます。
日本ではほぼ見なくなった客車列車に乗れるのは貴重な体験です。
ちなみにこの列車の行き先は、蘇州よりはるか先、2,000km以上離れた西寧のようです。
さすが中国、日本とはスケールが違う…。
混雑していたため車内の写真は取れませんでしたが、向かい合わせのボックスシートが並ぶレトロな車内でした。
この列車で蘇州まで1時間ほど揺られていきます。
上海から蘇州までは高速鉄道も走っていて、そちらに乗れば30分ほどで到着しますが、あえてゆっくり客車列車に乗っていくのも悪くありません。
蘇州到着
客車列車に揺られること1時間、蘇州駅に到着しました。
寺院を思わせるような造りが特徴的な駅舎です。
駅を出て正面には、巨大な石像と櫓のようなものが建てられています。
一大観光地の玄関口だけあって、観光気分を盛り立ててくれます。
そして、駅のすぐ横には大きな川が流れています。
水路の街蘇州の雰囲気をいきなり味わわせてくれます。
先ほどの川を渡り、徒歩で蘇州の中心部へ向かいます。
きれいに整備された道路の奥に、さっそく特徴的な塔が見えてきました。
報恩寺・北寺塔
先ほど見えた塔の場所までやってきました。
こちらは報恩寺という寺院です。
その中にあるひときわ目立つ塔が北寺塔です。
北寺塔を近くから見るとこの通り、なかなかの高さです。
高さは76mあり、かつては蘇州で最も高い建造物だったそうです。
意匠の美しさもよくわかります。
ちなみに、この塔は上まで登れるそうで、最上階からは蘇州の街が一望できます。
この報恩寺の創建は約1,700年前と、非常に長い歴史をもっています。
蘇州駅から徒歩10〜15分と近いので、訪れてみてはいかがでしょうか。
報恩寺から10分ほど歩き、蘇州博物館の近くまでやってきました。
この付近は土産物屋や飲食店が多く立ち並び、いかにも観光地といった雰囲気です。
そんな場所にもこのようにちょっとした水路があったりします。
蘇州の街中は本当に至るところに水路が張り巡らされていて、絵になる風景が多いです。
拙政園
そうして次の目的地である拙政園に着きました。
中国四大庭園の1つに数えられ、世界遺産にも登録されている中国庭園です。
蘇州を代表する観光スポットの1つです。
拙政園は中国の明代(約500年前)に造られたとされています。
数多くある蘇州の庭園の中でも最大の面積を誇ります。
園内には大きな池があり、その周囲の建造物や木々と合わさり、素晴らしい景観を作り出しています。
拙政園はどこを切り取っても本当に絵になります。
細かいことを考えなくても、その景色だけで十分楽しめます。
中国風の建築がほとんどですが、中にはこのようなステンドグラスを用いた西洋風の様式が見られる建築もあったりします。
これもなかなか不思議で美しい景観を生み出していて面白いです。
園内は多くの観光客で賑わっていました。
そして園内の一角には多数の盆栽が展示されていました。
いつまでも散歩していられるほど素晴らしい場所でしたが、ここまでとします。
蘇州を訪れた際はぜひとも訪れてみてください。
平江路
拙政園を出て、ここからしばらく歩きながら蘇州の街を散策していきます。
その途中で通りかかったのが平江路という場所です。
あまり観光地化されていない、蘇州本来の景色が見られる場所です。
水路を行く小舟がこれまた素敵です。
思わぬベストショットが撮れてしまいました。
人がすれ違うのがやっとなほどの狭い路地に商店がひしめき合っている景色は、やはり中国といった雰囲気です。
あまり観光地化されていないためか人はそこまで多くなく、ゆっくり散策を楽しめます。
蘇州の街は、北京と杭州を結ぶ中国大運河(京杭大運河)の途中に位置しています。
この大運河は約2,500年の歴史を誇り、世界遺産にも登録されています。
運河の両岸に歴史的建造物が立ち並ぶ光景は、どこか日本の倉敷などを想像させます。
この生活感が垣間見える路地裏の風景がたまりません。
先程の拙政園からも近い場所なので、観光コースに取り入れてみてはいかがでしょうか。
蘇州の街を散策
平江路から外れて、もう少し蘇州も街中を散策します。
水路にかかるちょっとした橋も、風情ある景観を作り出しています。
こちらは観前街という蘇州の繁華街です。
チェーン店や大型商業施設なども多く立ち並んでいる賑やかな場所です。
大通りに出てきました。
こんな都会的な風景も蘇州の魅力の一つです。
こちらは滄浪亭です。
今回は中には入りませんでしたが、数ある蘇州の庭園の中でも最古のもので、創建は北宋時代(約800〜1,000年前)とのことです。
滄浪亭の周囲はこのように堀が張り巡らされています。
中に入らなくても風情を感じられますが、今度訪れたときはしっかり中を見学したいと思います。
滄浪亭からまた少し歩き、盤門景区にやってきました。
多くの史跡がある大きな公園です。
綺麗に整備されていて、散歩するにはもってこいの場所です。
川を行く船とそこにかかる橋、その背景に見える高層ビル群が、現代蘇州の風景といった感じで趣きがあります。
奥に見えるのが盤門景区のシンボルの一つである瑞光塔です。
現在のものは宋の時代に再建されたものですが、瑞光塔そのものは呉の時代からあったものだとされています。
そしてこちらが、盤門景区の名前の由来にもなっている「盤門」です。
水陸両用の門となっていて、蘇州の街を守るために存在していました。
中国で唯一現存する水陸城門とのことです。
そしてこちらが「呉門橋」です。
北宋の時代に造られた、こちらも歴史ある橋です。
この橋と先ほど紹介した「盤門」「瑞光塔」を合わせて、「盤門三景」とも呼ばれています。
広々とした公園をゆったり散歩しながら、歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
山塘街
先ほどの盤門景区から地下鉄に乗り、山塘街にやってきました。
こちらも水路沿いの街並みが美しい地区です。
また、多くの飲食店などが揃う商店街でもあります。
狭い水路に沿って建物がひしめき合う様は情緒たっぷりです。
水路を行く船はやはり絵になります。
至るところにぶら下がっている提灯のような赤い飾りも、山塘街の特徴です。
山塘街を奥の方に進んでいくと、このような庶民的な商店街が広がります。
狭い路地をバイクで抜けていく様子がまた庶民感があってたまりません。
沿道にはこのような重厚な造りの門があったりします。
こういうちょっとしたものからも歴史を感じられます。
道中には寺院のようなものもあります。
川越しに見る寺院も素敵です。
そして、夕暮れ時の山塘街の景色は息を呑むほどでした。
このノスタルジックな光景は今でも目に焼きついています。
夕方になり賑わいを増してきたところで、名残惜しいですが蘇州を後にします。
また行きたいと思うほどに、蘇州は素晴らしい街でした。
上海へ戻る
蘇州北駅にやってきました。
在来線中心の蘇州駅とは異なり、ここは高速鉄道が発着するターミナルです。
駅周辺は近代的な高層ビルが立ち並びます。
古都蘇州のまた違った一面が見られます。
このひの夕食は駅構内で食べた魯肉飯のようなものです。
この「永和大王」というお店は中国でチェーン展開しているファーストフード店のようで、日本で言うところのすき家みたいなものでしょうか。
駅のホームは非常に天井が高く広々としています。
そこに停車する高速鉄道の車両もカッコいいです。
こちらに乗って上海まで戻ります。
乗り心地は日本の新幹線より少しだけ揺れるかなという程度で、とても静かでゆったりできます。
蘇州北駅から30分程度で、上海虹橋駅に着きました。
上海で高速鉄道が発着するターミナルはこちらになります。
広々とした駅構内にたくさんの車両が並んでいる姿は圧巻です。
ここから中国各地に向けて出発していきます。
1日中歩き回ってさすがに疲れたので、この辺で宿に戻ります。
5日目のまとめ
この日は1日かけて蘇州の街を巡ってきました。
中国を代表する古都だけあって、非常に見ごたえのある街でした。
今振り返っても、この日が一番楽しかったと思っています。
翌日は、上海の超高層ビル群である陸家嘴エリアを中心に巡っていきます。
よろしければ続きもご覧ください。
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